子どもの気持ち 2012,05月号

 4月、入園・進級した子ども達の緊張もほぐれて、保育園生活にも慣れつつある姿が、笑顔にも出てきたようです。新入園児が入ってくるたび、私達が当たり前になっていた状況に気付かされる新鮮な事が、今年もありました。

 1歳児の新入園児は、保育園の給食の麦ごはんから、上手に舌で白米と舌触りの違う麦だけを口から出してお皿に並べていました。初めての感触だったのでしょう。日常的に食べていた私達は、「あっ!今日は、麦ごはんだったね」と気付かされ改めて麦をかみしめました。(この子も今では、口から出さずに食べるようになりました^_^;)

 また、ある日の給食では、めざし一匹が初めて提供され、ご飯の上にのっためざしにギャーと叫び声が上がりました。切り身は、食べたことあるけれど・・・魚が丸ごとそのままの姿で、出て来たのに驚いたようです。(保育園のめざしは12~3㎝ぐらいの大きさなんですよ。)

 さあ!どうやって食べようか?めざしと、にらめっこしています。保育者が、めざしを頭からかぶりつき「あ~おいしい!」と食べ始めると、次々に手づかみでガブリ!ガブリ!ほとんどの子が頭からしっぽまで骨ごと食べてしまいました。すっかり、あゆらいっ子になったようです。

 子どもにとって初めての体験は、きっと衝撃的なことばかりでしょうが・・・私達大人や友達が、笑顔で楽しそうにしている姿があれば、子どもたちは、安心して挑戦する気持ちが芽生えてくることと信じて・・・今日も笑顔で過ごしましょう。

主任保育士 坂口 美恵

子どもの気持ち 2012,4月号

保育園では、誉め誉めの樹を各クラス用意しています。

「友達同士、保育者、家族が、お子さんを見つめて、気が付いた事を言葉にして、“誉め言葉の花”を咲かせていきましょう。」という取り組みです。

「これは、私のことよ!」と目を輝かせ自慢に来る子もいます。

誉め言葉は、子ども達にとって“認められた” “愛されている”という安心感や自信につながっていく事と思います。

なかなか褒め言葉を、思っていても掛けられない大人は、誉め言葉がたくさんあることに気づかされます。

是非、たくさん誉め誉めの花を咲かせてください。

お子さん自慢をしてください。

今年も、一緒にたくさんの笑顔の花を咲かせましょうね。

主任保育士 坂口 美恵

子どもの気持ち 2012,3月号

気持ちが、ほっこり♡するエピソードをご紹介いたします。

○卒園文集の制作で“自画像”に日々挑戦中の年長さん。粘土遊びの中でも、顔を作って遊んでいて完成したものを見せに来たのですが、丸い平面に目と眉と口はあるのだけど中央には、まるでお月見の団子をピラミッドの様に積み上げた立的物があり?「これは、なーに?」と尋ねたところ「だんごっ鼻よ!」と・・・。いわゆる団子を連想しての鼻の表現でした。なかなか思いつかない表現制作に「上手い!!」。

○マラソン練習中の2歳児さん。川沿いの道路を走っている時、後方走者の一人が立ち止まり座り込みました。Uターンしてきた先頭集団の子ども達まで「どれ!どれ!」と座り込んで見入る子どもたち。「走ってぇー」と駆け寄るとコンクリートの間から「黄色いお花さーん」とタンポポを発見!すっかり走るのを忘れてます。「本当!大発見ね!」と言いつつも「今は、マラソン中よ!走りまーす」との掛け声に自分の走っていたコースも忘れて順位はバラバラに笑顔で走っていきました。これこそ“頑張る”というより“顔晴る”姿でした。

子どもの言動に、素敵な発見がいっぱいです。それを見つけるのが大人の役割なのかなあと思います。そして、褒め褒めの樹を「褒め言葉」の花で満開に出来る様、一緒に子育て顔晴りましょう。  

主任保育士 坂口 美恵

子どもの気持ち 2012,2月号

歯がゆい感情が出てきた0歳児さん。

怒りの気持ちを伝える手段として噛みつきという行動が見られるようになりました。友達に噛みつかせてはいけないと・・・保育士がとっさに防ぐと、そのまま保育士の手に噛みついてしまうこともしばしば。

しかし、大好きな保育士が「痛い」と悲しんでいる様子を見るに従い、噛み付つきも減ってきました。

 ある日、友達と遊具の取り合いになり、友達に噛みつこうとした瞬間に保育士の手が間に入ったので、噛みつくのを止め、「おもちゃ取られて嫌だったね」と言葉を添え、保育士も代わりの遊具を提供して落ち着いた・・・と思いきやなんと!自分の手に噛みついてしまったのです。

自分でも「痛い!」と思わずびっくりした様子でしたが、周りもびっくり。まさか自分の手を噛むとは思いもよらなかったのです。「人を噛んではいけない」と、噛み付きは止めたけれど、怒りの感情は消化しきれず、感情の持って行きようがないまま自分に向かってしまったことで、“噛み付かせない”ことに一生懸命になりすぎて、子どもの気持ちに共感や寄り添いが不足していたのではないか?怒りの感情の消化の手伝いが不足していたのではないか?と私たちは大反省しました。

 その後、泣きもせず硬い表情でいるその子に「僕の手が痛かったねぇ」と声をかけ、手を冷やすと「うん!うん!」とうなずき少し和らぎました。大人の話は理解しつつあるのです。

 もし、言葉を獲得して話すことが出来たら「この子は何と言うのだろう」と想像し、代わりに気持ちを声に出してみることによって・・・

子どもの納得が得られた時こそ大人も子どもも、もっと近づくことが出来るような気がする出来事でした。                                   

主任保育士 坂口 美恵

子どもの気持ち 2012,1月号

2011年を表す漢字は「絆」でしたね。

あゆみらい保育園の生活発表会でも沢山の「絆」を感じました。

0歳児 雪組さんでは、泣く子が一人もいませんでした。準備の段階の控え室でも、舞台でお父さんお母さんを見つけても誰も泣いておらず、保育士と一緒で安心している姿が、何より「日頃の生活」そのものでした。

1歳児 空組さんは、残念ながら病欠のお友達がいたため、急遽配役が変わってしまいました。一人代わると次々になりたい役が変わり、5人ほどが前日までの配役と違っていたにもかかわらず、「日頃のごっこ遊び」が生かされ誰もがどの役でもこなすことが出来ていたのには驚きました。子どもを信用して挑戦した保育士もすごい。

2歳児 虹組さんは、元気いっぱい自己主張も強い年齢で、実は前日までステージの上では自己主張の戦いが、鬼と桃太郎たちの戦いに劣らず実践されていたので、担任は、ぎりぎりまで試行錯誤の策を練っていました。いざ本番になると観客に向かってのアピールに代わりのびのびと演じていましたね。練りがいがありました。

3歳児 星組さんは、練習の段階から感情移入しており、ある朝窓にぶつかって落ちている雀をみつけて、「おちゅんが、死んでる」と保育士に訴えてきて本気で心配していたそうです。その気持ちに応え一緒にお墓を作って、お話の世界に一緒に入り込みました。

4歳児 月組さんは、本番中せりふが抜けてしまいそれぞれが教えあう姿が、なんとも可愛らしく、担任とのアイコンタクトで、「まあ!次にいこう」と何事もなかったかのように話を進める姿に感心しました。

5歳児 花組さんは、当日緊張が最高潮でしたが、たくさんの拍手に自信をつけ、22日に高齢者施設に訪問し、劇と合奏を披露した時には、一週間後の劇にも関わらず、子ども同士のアドリブまで飛び出し、舞台袖にいる保育士を驚かせる程自信に満ちあふれていたのです。

保護者の皆様からは、沢山の感想を頂きありがとうございました。

私たちは、子どもの姿と保護者の皆様からのねぎらいの言葉に、感謝と保育のやりがいを感じることが出来ました。

発表会では、クラス担任だけのかかわりでなく、衣装であったり、小道具であったり、個別指導であったり、沢山の保育士が関わりあったので、どのクラスにおいてもまるで自分のことのようにうれしく自慢することが出来ます。

今年も・・・お子さんを通して、保育士と子ども同士と保護者が喜びを感じあえ、共に成長し「絆」も、一段と深まったように感じます。

来年も、より「太い絆」「つながる絆」を目指し頑張ります。

どうぞよろしくお願いいたします。 

主任保育士  坂口 美恵

子どもの気持ち 2011,12月号

小学校との連絡会で「おなかが痛いです」「トイレに行きたいです」等の「自分のことを伝えられる子が少ない」との話がありました。

突然 黙って教室を出て行ったりするそうです。身近な大人にSOSを出せないのは、何故?と考えたとき、0歳児を思い浮かべました。

0歳児の部屋で一人クローゼットの前にニコニコ笑い立っていた子が、突然「ぎゃー」と泣き出しました。

何事!と見ると足元に水溜り、おしっこが出てしまったのです。本人が一番びっくりしたのでしょう。

「大丈夫よ。おしっこが出たね。おしっこにいきたかったのね。濡れて気持ち悪いからきれいにシャワーしましょう」と保育士に促され、安心して着替えに行きました。これも言葉が出ていない乳児のSOSでした。

泣くという手段しかない子達にいかに応えていくか?泣いて訴えたときにどう応えられたか?は、大切ですね。

言葉を獲得するまでに噛み付いたり、引っかいたり、押したり、奇声を上げたり、様々な行動で困っていることを表出してくる子ども達に、

【気持ちを言葉に変えて代弁する。】

【一緒に解決していく経験をする。】

これらが繰り返されることで、言葉を獲得し、きっと安心感をもって大人や友達と関わることが出来てくると思うと、乳幼児期の関わりの大切さをひしひしと実感します。

先日、教材庫の掃除をしていると年長児が顔を覗かせ「何してるの?」と尋ねてきました。そして、「ねえ、先生!何か聞こえない?」と言うので耳を済ませると泣き声が聞こえてきます。

「もしかして妹が泣いているの?」と聞くと「そう」「どうして泣いているの?」「帰りたくないって泣きよう」「助けに行ったほうがいいですか?」「うん!」の短いやり取りで、妹とお母さんの困っている場所へ急行しました。

しかし、私は、妹さんの困っていることを解決できず、時間だけが過ぎ、結局お兄ちゃんのSOSに応えることが出来ませんでした。

普段、なかなか困っていると言葉で言わない子で、この日も「何してるの?」「何か聞こえない?」という言い方で、やっとSOSを出してきたのにも関わらず解決できなかったのです。

次の日「ごめんなさい。」と謝ると「いいよ」と言ってくれましたが、私は、申し訳なさで一杯でした。

今後・・・彼が、次のSOSを出してくるだろうか?と思いながら、それからというもの私は、彼がSOSを出しやすいようにと周りをウロチョロして、心待ちにしています。

しかし、幸いなことに保育園は沢山の保育士や職員、保護者の皆様とのかかわりがあります。安心して関われる大人を沢山見つけて、子ども達が、巣立っていってほしいと願うばかりです。                            

主任保育士 坂口 美恵

子どもの気持ち 2011,11月号

 実りの秋も、自然とのふれあいの中で、子どもの気付きや表現に成長を感じ感動するが沢山あります。

0歳児雪組さんは、天気の良い日に、小園庭の芝の上に裸足で出てみると・・・いつもと違う感触に、つま先立ちで歩いてみたり、片足を交互に大げさに上げ兵隊さんのように歩く子もいたりして、ついこの間歩けるようになったばかりなのに、自分の体を自在に操作する姿は、見事です。

 みかん狩りにいった農園で「寝転んでもいい?」と芝の上に寝転んで空を仰ぎ「気持ちいい!」(つられて私も久しぶりの体験)。

芋ほり体験で薩摩芋を探していると「あっ!すみれ色がみえた。」と素敵な表現する5歳児さん。

大きな卵焼きの入ったおにぎりをパクついて、「わぁ!卵焼きの中におにぎりが入っていた!」と感動する4歳児さん。(あなたにとって卵焼きがメインだったのね)

 秋の海辺で波と戯れていて、きれいなガラスの破片を発見!(何度も波と岩に削られ角が丸くなり透き通っています。)「これ貝?」と持ってくるので、「ガラスよ。きれいね。」と私が拾い集めると「ガラス触っていいの?」普段は、割れたガラスは触ってはいけないと言われているので、理由を話すと、きれいな角の丸いガラスの破片を見つけて集めてきました。中には、昔々のコカコーラーの模様の入ったガラス瓶の破片もあり、長い年月海を漂っていたんだなあと感動!

今月は1日から11まで、子どもたちの見たり・聞いたり・感じたことを表現した作品を、保育園内各所に展示いたします。しばし、芸術の秋を親子で堪能していただき、お子さんの声に耳を傾け、成長を感じていただき、「ほっこり」と癒されていただけたら嬉しいです。 

                       主任保育士 坂口 美恵

子どもの気持ち 2011,10月号

今年も運動会という大きな園行事を終え、それぞれが達成感や充実感・安堵感を感じているようです。

0歳児から5歳児までの気持ちをひとつにする。ということは、なかなか無い事ですが、日々の積み重ねの中で培うものは大きいなあと実感する機会でもあります。

だれも教えていないのに、歩けるようになったばかりの0歳児が、行進の音楽と「ピーッピッ」の笛の合図で左足をあげて左・右と行進を始めたり、

「○○チームの勝ち」と声があがると「ドドスコ・・・」と腰を左右に振る1歳児。

22日の最終リハーサルでは、道具の準備をした後なので、道具がないところでイメージだけで入退場や競技の練習をしました。そのときにボールや籠がないのに、イメージを描き、ボールを拾ったり投げたり、制服の裾を広げたくさんのボールを集めているしぐさをする2歳児。

初めてリレーに参加する3歳児も、いつの間にか途中で投げ出すことなく、最後の年長さんが走り終わるのを見届け、一緒に喜び合う姿にまでなりました。「素晴らしい!」の一言です。

4歳・5歳になると自分の役割を果たすという責任感・緊張感が垣間見られるようになり、「心をひとつにする」ということが姿として見えてくるようになりました。担任は「お父さん・お母さん・お客さんをびっくりさせてあげよう!」「沢山誉めていただこうね」と日々エールを送り続けていました。私はというと担任のいないところで「先生も感動させよう!」と言葉をかけ続けました。

当日、今までで最高の演技とみんなの心がひとつになった瞬間でもありました。

オープニングは、緊張感から感動に代わり、運動会のモチベーションが最高潮になりました。

次の日、年長児が私のところへ来て「先生(担任)が泣きよったよー」と伝えにきました。

「あれーなんでかなあ」と、とぼけると「嬉しかったっちゃない」と照れくさそうに言っていました。お父さんお母さんからも沢山誉めて頂いたとの報告に安堵感と、子どもたちは「誉められたい」だけで頑張ったのではなく、「相手の喜ぶ顔が見たい」気持ちのほうがはるかに大きいのだろうなあと感じました。

親も子も周りの人もお互いが「あなたの喜ぶ顔がみたい」と思いやり、その気持ちで過ごせる毎日こそ「ラブ&ピース」だと実感した今年の運動会でした。         

主任保育士  坂口 美恵

子どもの気持ち 2011,09月号

事務室にいると、親子の会話が何気なく耳に入ってきます。

 

夕立が続いていたある日、お迎えのお母さんの嘆きの声が・・・

「長靴履いていないのに・・・なんで水たまりに入るの~」と

子どもは、すでに運動靴で水たまりの中。

かたや、お迎え時に長靴を持ってきてもらった子が、急いで履いて水たまりに入っていこうとすると「水たまりに入っちゃだめだよ」と言われ・・・「長靴履いたら水たまりに入っていいんだよー」と2歳児が呟きながら水たまりをよけて帰っています。午前中保育園での水遊び・泥んこ遊びでは、「裸足で感触を楽しみましょう」と保育士が裸足で水たまりに促しているので、子ども達はさぞかし戸惑っていることだろうなあと思い耳を傾けていました。

私自身も水たまりで遊ぶのは、楽しかった記憶は思い出すのだけど・・・いつから水たまりに入らなくなったんだろう。大人になって子育て中は、やっぱり汚してほしくない思いが強かったなあと振り返っていました。

しかしながら、子ども達が1日の中で関わる大人の気持ちや事情や状況で、声をかけられる内容がかわっても対応している適応力の素晴らしさを感じずにいられませんね。 

「子どもの時の気持ち」を思い出したひと時でした。

主任保育士 坂口美恵

子どもの気持ち 2011,08月号

 いよいよ運動会に向けての保育が日々入ってきました。毎年のことですが、経験のない乳児は、よーいドンのスタートの合図にまっすぐ前に向かっていくとは限らないわけでありまして、目指す保育士がゴールにいても、疲れればいちばん近くにいる保育士を目指して横に脱線したり、手を広げてお迎えを待っていたりと私たち保育士の「当たり前」の概念を吹き飛ばしています。いかにこれから目的に向かって走ることを伝えていくか?毎年頭をひねらせています。かと思えば・・・1歳児にインドネシア国籍の一時保育利用のお友達も入ってきて、保護者も日本語を勉強中、英語なら大丈夫との情報で、担任は早速英語で「レッツゴー」というと、「しゅっぱーつ」と日本語で応えたエピソードもありました。子どもって順応性も素晴らしい。

3歳児の初めてのリレーの場面では、「バトンを『ハイ!』と次の人に渡して走るのよ!」と伝え、はじめてみると1周走ってお友達へバトンを「ハイ」すると受け取った子は、線の上で丁寧に「ありがとう」とご挨拶を交わしています。「走ってー」と保育士に言われ慌てて走るのですが・・・だっていつも物を受け取ったらお礼を言いましょうといわれているんですから当たり前といえば当たり前。

きっと子ども達も迷っていることでしょうが、経験を重ねていくことで、こんな時はこうしたらいいのかあと考え行動できるようになってくることでしょう。

 だからこそ、私たち大人が「当たり前」「普通」と思っていることを少し取っ払って、一人ひとりにどうやって伝えようかと一緒に考える時間を持てるこの時期を大切にしていきたいと思います。

さて、今年はどんなエピソードが生まれるのか?今から楽しみです。              

主任保育士 坂口 美恵

 

 

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